変身の意味と子どもの変身欲求にもとづく造形表現について

96602J 大手壽之
1. 研究の動機
 私は子どもの頃から漫画や特撮が大好きだった。その気持ちは今も変わらず、「あんなヒーローになれたらなー」などと今でも時々考えることがある。なぜそんなにヒーローが好きなのだろうか?好きな理由はいくつかあるが、改めて考えて見ると一番私が引き付けられているのは、多くのヒーローが行う「変身」という要素にあるように思われた。
 私自身が変身を考えた場合、その大きな意味合いは他の人と一線を画するということにあるように思われた。それは自分自身が変身を好きな理由に外面的な変化による他者へのインパクトやそれにともなって持つ普通では不可能なことを可能にする能力が挙げられたことにある。これらは両方とも他者に対する意識から生まれたものであった。
 私自身が持つこの変身に対する考えが今回の私の研究の始まりとなった。自分をヒーロー好きにさせる「変身」は一般的にはどのようなものなのだろうか?自分自身が子どもの頃から興味があったということから、特に子どもの目から見た変身にスポットを当てることにした。さらに変身欲求を単なる個人のものとしてではなく、教育の場に置き換えて考えるとどのような可能性が考えられるかを造形表現を通じて見て行くことにした。
2. 論文の構成

はじめに
第1章 変身とは?
第1節 変身の種類と意味
第2節 変身の要因

第2章 子どもにとっての変身
第1節 テレビ・アニメの変身ヒーロー・ヒロインに見る変身の形態
第2節 子どもの変身に関わるイメージ・造形発想の傾向についての調査

第3章 変身を題材とした造形表現について
第1節 造形表現における変身の要素
第2節 変身と関わる教材事例
第3節 変身欲求を生かす題材の可能性
おわりに

 

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