平成11年度卒業論文 小柳 陽
子どものイメージ化における絵と言葉の関係について

1.研究の動機
 私たちは、文学作品や物語を読むとき、そこに描かれている世界を自分なりにイメージしている。K・B・ボールデイングによると、イメージとは過去経験の総合結果としてできあがるものであるという。ボールデイングに従えば、私たちは、直接的あるいは間接的な経験を含め、様々な経験を駆使して、物語という虚構の世界をイメージ化していると言える。それでは、そのような経験のまだ乏しい子どもたちは、どのようにイメージ化を行つているのだろうか。またそのとき、そこに描かれてある挿絵は、イメージ化にどのような効果を及ぼしているのだろうか。
 そこで本研究では、小学校の国語教科書で扱われている物語教材に焦点を絞つて、子どものイメージ化における挿絵と物語文の関係について考えていきたい。

2.論文の構成

はじめに

第1章 物語理解における絵と言葉の関係
 第1節イメージとは何か
 第2節 イメージと絵及び言葉との関係についての先行研究

第2章 教科書における挿絵の役割
 第1節 国語教科書において扱われる物語における挿絵と物語文の関係
 第2節 挿絵の相違によるイメージ化における効果について

第3章 物語絵を中心とした絵と言葉との関係についての調査
 第1節 調査の設計
 第2節 調査1(物語絵と言葉の関係について
の予備調査)の結果と考察
 第3節 調査2(かさこじぞうを中心として)
の結果と考察
 第4節 子どもの視覚的イメージを高める絵と言葉の関係について

おわりに

(研究の概要は次ページ)

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